心霊現象
怖い七不思議
周辺住所
栃木県栃木市大平町西山田252
心霊の噂
怖い七不思議がある曹洞宗の寺院『大中寺』、境内には「不断のかまど」「油坂」「根なしの藤」「馬首の井戸」「不開の雪隠」「東山一口拍子木」「枕返しの間」などの七不思議の話があり、この内容が怖い事から心霊スポットにも指定されている。
この寺に伝わる怖い七不思議をご覧頂きたい。
根無し藤
当代の住職は、旅の折に連れてきた稚児を仏事を疎かにするほど可愛がっていたが、その稚児が急の病で亡くなると、遺体を葬らず、ついにはその肉を喰らい尽くして、鬼と化してしまった。
諸国行脚の身であった快庵は、その話を聞くと寺に赴き、一夜の宿を求めた。
鬼と化した住職は夜半に快庵を喰らおうとするが、その姿を見つけることができず、己の浅ましい所業を悔いて懺悔した。
快庵は住職に青頭巾を被せ、一つの句を与えてその意味を考えるよう諭した。
そして翌年、快庵が再びこの地を訪れると、同じ場所に住職の姿があった。
句を繰り返しつぶやく住職を見て、快庵は藤の木の杖で打ち据えると、たちまち姿は消えて骨と頭巾だけが残るのみであった。
……そして手厚く住職を葬った快庵は、打ち据えた藤の木の杖を地面に突き刺して寺の繁栄を祈願したところ、根が生えて大木となったのである。
日本伝承大鑑
ある学僧が夜間の勉学のために本堂の灯明の油を盗んでいたが、それがある時ばれそうになって逃げようとして誤って石段から転げ落ちて死んでしまった。
それ以降、この石段を上り下りすると不吉なことが起こるとして、使用が禁じられた。
本堂の一角にある座敷は、そこに泊まると翌朝には必ず頭と足の向きが逆さまになってしまうという。
ある修行僧が疲れのために竈の中に入って寝ていたが、それを知らずに火をつけてしまい、修行僧は焼け死んでしまった。
その後、夢枕にその修行僧が現れ「火さえついていればこんなことにはならなかった」と言ったため、それ以降は火を絶やさないようにした。
大中寺の東にある山の方から拍子木の音が一回だけ鳴ると、寺に異変が起こると言われる。
ただしその音は住職以外には聞こえないという。
近隣の豪族・晃石(佐竹)太郎が戦に敗れて、大中寺に逃げ込んだ。
しかし住職は匿うことを拒否したため、晃石は恨みに思って馬の首を切り落として井戸に投げ込み、自身も切腹して果てた。
それ以来、その井戸を覗き込むと馬の首が浮かび出るとか、いななきが聞こえるとか言われるようになった。
晃石太郎の後を追って奥方も大中寺に逃げ込んだが、夫の死を知ると、雪隠へ籠もってその場で自害した。
それ以来、その雪隠には奥方の生首が現れると言われた。
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